2018年度(2018年4月1日より2019年3月31日まで)事業報告ならびに収支報告
公示No.2019-WEB027
2019年7月31日
2018年度はフォーミュラ1、WEC(世界耐久選手権)など世界選手権競技会の日本開催のための支援を行ったほか、ドリフト競技やWTCR(世界ツーリングカーカップ)、APRC(アジアパシフィックラリー選手権)等のFIA国際大会の開催に協力しました。
また、モータースポーツファンの裾野を広げるために「モータースポーツジャパン」等のイベントや各競技会等へのブース出展・協力を行いました。また2年目となったオリジナルのモータースポーツ情報番組をWEBで月2回配信し、ファンに向けて情報を提供しました。
「JAFグランプリ」については昨年に引き続き、各種の支援・協力を行いました。
詳細は以下の通りです。
注)以下のデータのうち*印は、2018年1月〜12月までの1年間の実績です。
1 国内モータースポーツ活動の充実
(1)選手権競技会の認定
全日本選手権及び地方選手権競技会として認定した合計358件*の競技会のうち、全日本選手権等60競技*(四輪、カート合計)に競技会審査委員を派遣し、規則の施行を徹底した。
【選手権競技会等認定件数*】
○レース(全日本選手権)
スーパーフォーミュラ 7件
F3 8件
○レース(地方選手権)
FIA−F4 7件
JAF−F4 14件
スーパーFJ 38件
ツーリングカー 18件
○ラリー
全日本ラリー選手権 10件
地方ラリー選手権 35件
○ジムカーナ
全日本ジムカーナ選手権 10件
地方ジムカーナ選手権 64件
地方サーキットトライアル選手権 13件
JAFカップジムカーナ 1件
○ダートトライアル
全日本ダートトライアル選手権 9件
地方ダートトライアル選手権 65件
JAFカップダートトライアル 1件
○カート
全日本カート選手権 16件
地方カート選手権 20件
ジュニアカート選手権 22件
○合計 358件
(2)競技会の公認
①合計507件*の競技会を公認した。うち国際格式は、F1・WEC・WTCR・IDCなど28件*であった。
【2018年 競技会公認件数*】(2017年:前年比)
○四輪
レース 88件(87件:101.1%)
ラリー 76件(82件:92.6%)
スピード競技 284件(271件:104.8%)
○カート 59件(63件:93.6%)
○合計 507件(503件:100.8%)
組織許可不要なクローズド競技を含む実数
○スピード競技 547件(505件:104.8%)
○カート 157件(175件:93.6%)
○合計 868件(849件:102.2%)
②「オートテスト」を77回開催し、述べ2,858名が参加した。
(3)車両公認
国内車両公認申請33件*を承認した。
(4)モータースポーツライセンスの発給
①四輪各種ライセンス65,598件*、カート各種ライセンス5,463件*を発給した。
②5月、8月および11月に実施したライセンス更新促進策(はがきタイプの更新案内)では16,475件を取扱った。
【2018年 ライセンス発給件数 四輪*】(2017年:前年比)
○ドライバーライセンス
国際(A・B・C・R) 2,873件(2,811件:102.2%)
国際ソーラーカー 167件(176件:94.8%)
国内A 18,396件(18,269件:100.6%)
国内B 24,809件(24,185件:102.5%)
小計 46,245件(45,441件:101.7%)
○エントラントライセンス
国際 332件(342件:97.0%)
国内 421件(400件:105.2%)
小計 753件(742件:101.4%)
○オフィシャルライセンス
1級 2,993件(2,941件:101.7%)
2級 5,073件(5,100件:99.4%)
3級 10,527件(10,167件:103.5%)
小計 18,593件(18,208件:102.1%)
○エキスパートライセンス
7件(7件:100.0%)
○合計
65,598件(64,398件:101.8%)
【2018年 ライセンス発給件数 カート *】(2017年実績:前年比)
○ドライバーライセンス
国際(A・B・C) 550件(538件:102.2%)
国内A 1,172件(1,190件:98.4%)
国内B 1,910件(1,974件:96.7%)
ジュニア国際 17件(34件:50.0%)
ジュニア国内(A,B) 199件(205件:97.0%)
小計 3,848件(3,941件:97.6%)
○エントラントライセンス
国際 43件(45件:95.5%)
国内 227件(218件:104.1%)
小計 270件(263件:102.6%)
○オフィシャルライセンス
1級 358件(368件:97.2%)
2級 205件(209件:98.0%)
3級 777件(795件:97.7%)
小計 1,340件(1,372件:97.6%)
○エキスパートライセンス
5件(5件:100.0%)
○合計 5,463件(5,581件:97.8%)
(5)登録クラブの活性化への寄与
①合計979件*のJAF登録クラブ・団体の登録を行った。
②全国8地域のJAF登録クラブ地域協議会との連絡会議を6月、3月の2回開催した。
【2018年 JAF登録クラブ・団体の登録件数*】(2017年:前年比)
○四輪
特別団体 9件(9件:100.0%)
公認団体 6件(6件:100.0%)
加盟団体 26件(24件:108.3%)
準加盟団体 16件(19件:84.2%)
公認クラブ 22件(22件:100.0%)
加盟クラブ 370件(379件:97.6%)
準加盟クラブ 412件(417件:98.8%)
小計 861件(876件:98.2%)
○カート
特別団体 5件(5件:100.0%)
加盟団体 18件(15件:120.0%)
公認コース団体 12件(12件:100.0%)
加盟コース団体 14件(13件:107.6%)
公認クラブ 6件(6件:100.0%)
加盟クラブ 38件(39件:97.4%)
準加盟クラブ 25件(25件:100.0%)
小計 118件(115件:102.6%)
○合計 979件(991件:98.7%)
(6)FIA Intercontinental Drifting Cupの開催
日本発祥のモータースポーツ「ドリフト」のFIA国際大会「FIA Intercontinental Drifting Cup」(お台場特設会場)開催を前年に続いて支援、FIAにおけるドリフト競技の国際規則制定において中心的役割を担った。
(7)JAFグランプリの開催
10月に三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の開催にあたり、支援・協力を行った。
(8)JAFモータースポーツ表彰式の開催
「2018年JAFモータースポーツ表彰式」を11月30日、都内のホテルで開催し、全日本選手権カテゴリーおよびFIA−F4シリーズ、スーパーGTシリーズのチャンピオンと上位入賞者を表彰したほか、ソーラーカーレース鈴鹿および、APRC2のチャンピオンへ賞典贈呈を行った。
また、2018年第86回ル・マン24時間レースで優勝した中嶋一貴氏、全日本ジムカーナ選手権通算100勝を達成した山野哲也氏、および2018年世界ラリー選手権(WRC)マニュファクチャラーズ部門チャンピオンのTOYOTA GAZOO Racingに「JAFモータースポーツ特別賞」を、モータースポーツ界で永年にわたり活躍された前田外喜男氏に「JAFモータースポーツ名誉委員」の称号を、それぞれ贈呈した。
(9)説明会の開催
①1月に全日本レース選手権に関係する参加者およびオーガナイザーを対象に規則説明会を開催した。
②全日本ラリー選手権オーガナイザー会議を1月に開催した。
③全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権オーガナイザー会議を1月に開催した。
2 第2次モータースポーツ振興ワーキンググループの答申と、モータースポーツ振興委員会の設置
前年度に活動を開始した「第2次JAFモータースポーツ振興ワーキンググループ」は、モータースポーツを広く世間に知らしめ関心を持つ人を増やし、体感する場を提供するために「トップを光らせ、底辺を拡大する」方策を主体とした「モータースポーツ振興策」を答申としてまとめ、2018年5月、JAF会長に提出した。
その答申を受け、JAFは同年9月に会長直属の組織として「モータースポーツ振興委員会」を立ち上げ、ワーキンググループの答申を含めた振興策の具体的な検討および実行や、他のスポーツ統轄団体の成功事例や取り組みに関する情報の収集、ならびにそれらの事例に基づくモータースポーツ振興策および実行プロセスを提案するため、議論を開始した。
3 モータースポーツ各種委員会の開催、運営
モータースポーツ審議会をはじめ各種委員会を合計80回*開催した。
【委員会開催件数*】
モータースポーツ審議会 3回
モータースポーツ審査委員会 2回
モータースポーツ振興委員会 1回
登録部会 9回
安全部会 5回
メディカル部会 5回
技術部会 8回
マニュファクチャラーズ部会 10回
レース部会 5回
ラリー部会 10回
スピード競技部会 11回
電気・ソーラーカー部会 4回
カート部会 9回
合計 82回
4 モータースポーツ関係規則の制定、改正
「国内競技車両規則」等、各種モータースポーツ関係諸規則(17件)を制定又は改正した。
5 安全対策の推進
(1)レーシングコース査察及び許可証の発給
FIAコース査察員による国際レーシングコース査察及びJAFコース査察員による国内/国際レーシングコース査察をそれぞれ実施し、JAF国内モーターレーシングコース許可証(16件、13ヵ所)*を発給した。
(2)スピード競技コース査察及び許可証の発給
FIAコース査察員による国際ドリフトコース査察及びJAFコース査察員によるジムカーナコース(12ヵ所)*、ダートトライアルコース(3ヵ所)*の査察をそれぞれ実施し、JAFスピード競技コース許可証(ジムカーナ48件、ダートトライアル19件)*を発給した。
(3)救急医療体制の充実
競技会での救急医療体制充実のため、鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ等で医療体制の視察を行った。
(4)ドーピング検査の実施
全日本レース選手権競技会で2名のドライバーに対し、ドーピング検査を実施した。
6 モータースポーツ広報の拡充
(1)JAFホームページにて、オリジナルのモータースポーツ情報番組「JAF MOTORSPORTS NEWS DIGEST」を月2回配信し、ファンに向けて様々な情報を提供した。
(2)JAF会員向け機関誌「JAF Mate」に、モータースポーツに関するコラム記事を毎号掲載した。
(3)4月に開催された「モータースポーツジャパンフェスティバル2018」(東京・お台場特設会場)にブースを出展し、有名ドライバーやタレントによるトークショー等を通じてモータースポーツの楽しさを積極的にPRした。
(4)女性のモータースポーツへの参加促進を目的とした「ウィメン・イン・モータースポーツ」活動PRのため、女性を対象にしたドライビング講習会の開催支援や会員向けイベント等を実施した。
(5) 2018年JAFプレスパスを審査のうえ41名*に発行した。
(6) FacebookなどのSNSを活用し、全日本選手権競技会の開催情報をはじめ、参加者および観戦者に向けたモータースポーツに関する情報を発信した。
7 国際組織等との国際交流の推進
(1)FIAの活動に参加し、その連携を強化するため、JAFの役職員、モータースポーツ関係委員が各種会議に出席した。
【FIA会議等への出席*】
FIA総会 1回
世界モータースポーツ評議会 4回
専門委員会 16回
作業部会 3回
CIK委員会 2回
アジアゾーン会議 1回
競技会視察 5回
その他 3回
【海外競技参加出場証明書の発行数*】
レース 224回
ラリー 72回
カート 45回
スピード 7回
数次用(四輪) 122回
数次用(カート) 12回
合計 482回
(2)FIA幹部との意見交換会や海外のFIA選手権競技会への審査委員の派遣等を通じ、FIAや諸外国のモータースポーツ関係者との交流を推進した。
4月 FIAカート委員会委員との意見交換会
8月 FIA電気および新エネルギー選手権委員会委員、FIA技術代表との意見交換会
12月 FIAマニュファクチャラーズ委員長との意見交換会
(3)2019年1月に発足したFIAドリフト委員会においてJAFから派遣した委員が初代委員長に就任した。
8 カート競技における安全対策の推進と開催促進
(1)安全対策の推進
①国内カートコース(2ヵ所)の査察を実施した。
②FP‐Jr Cadets用シャシー(4件)の公認(登録)申請の審査を実施した。*
(2)選手権競技会開催の支援
①全日本、地方、ジュニアカート選手権競技会を認定するとともに、規則の施行を徹底するため、競技会審査委員を派遣した。
②オーガナイザー会議を11月に開催し、競技運営に対する指導を行った。
③チーフオフィシャル会議を2月に開催し、競技運営に対する指導を行った。
9 電気・ソーラーカーレースの振興
(1)「ソーラーカーレース鈴鹿」の開催支援
8月、鈴鹿サーキットにおいてFIA代替エネルギーカップ「ソーラーカーレース鈴鹿2018」を共催した。FIA派遣役員と参加車両の国際共通化を図る会議を開催した。
10 収支報告
2018年度におけるモータースポーツ業務に直接係わる収入は約4.1億円(事業収入:クラブ・団体登録料、ライセンス発給料、競技会組織許可料、車両公認料等)、支出は約5.8億円(事業費:委員への謝金、委員の出張費、職員の人件費、出張費、選手権管理用器具の購入等)でした。なお、収支の差は会費等の収入から充当しています。
11 罰金等の金額について
公認競技会で納められた罰金および没収された抗議料または控訴料の2018年度末の残高は以下のとおりです。
なお、罰金および没収された抗議料または控訴料は、国内競技規則11-8(罰金収入の措置)に従ってJAFの特別基金に繰り入れ、モータースポーツの振興および福祉目的のために使用しています。
2018年度末罰金残高 11,043,781円
<内訳>
2017年度罰金等残高 14,535,775円
2018年度罰金等総額 845,112円
2018年度の措置等(支出)総額* 4,337,106円
以上
*第2次モータースポーツ振興ワーキンググループ調査・検討関連費用