2017年度(2017年4月1日より2018年3月31日まで)事業報告ならびに収支報告
公示No.2018-WEB016
2018年7月9日
2017年度はフォーミュラ1、WEC(世界耐久選手権)、WTCC(世界ツーリングカー選手権)など世界選手権競技会の日本開催のための支援を行ったほか、世界初となるドリフト競技のFIA公認国際大会(IDC)の開催に協力を行いました。
また、モータースポーツファンの裾野を広げるために「モータースポーツジャパン」等のイベントへの出展・協力を行うとともに、海外からのモータースポーツ観光客を誘致するため「ビジット・ジャパン トラベルマート」にブースを出展しました。またオリジナルのモータースポーツ情報番組を毎月WEBで配信し、ファンに向けて情報を提供しました。
「JAFグランプリ」については昨年に引き続き、各種の支援・協力を行いました。
詳細は以下の通りです。
注)以下のデータのうち*印は、2017年1月~12月までの1年間の実績です。
1 国内モータースポーツ活動の充実
- (1)選手権競技会の認定
- 全日本選手権及び地方選手権競技会として認定した合計365件*の競技会のうち、全日本選手権等62競技*(四輪、カート合計)に競技会審査委員を派遣し、規則の施行を徹底した。
【選手権競技会等認定件数*】
○レース(全日本選手権)
スーパーフォーミュラ 7件
F3 9件
○レース(地方選手権)
FIA−F4 7件
JAF−F4 8件
スーパーFJ 39件
ツーリングカー 12件
○ラリー
全日本ラリー選手権 9件
地方ラリー選手権 33件
○ジムカーナ
全日本ジムカーナ選手権 8件
地方ジムカーナ選手権 65件
地方サーキットトライアル選手権 5件
JAFカップジムカーナ 1件
○ダートトライアル
全日本ダートトライアル選手権 8件
地方ダートトライアル選手権 65件
JAFカップダートトライアル 1件
○カート
全日本カート選手権 21件
地方カート選手権 45件
ジュニアカート選手権 22件
○合計 365件
- (2)競技会の公認
- 1 合計503件*の競技会を公認した。うち国際格式は、F1・WEC・WTCC・IDCなど28件*であった。
【2017年 競技会公認件数*】(2016年:前年比)
○四輪
レース 87件(87件:100.0%)
ラリー 82件(77件:106.4%)
スピード競技 271件(278件:97.5%)
○カート 63件(73件:86.3%)
○合計 503件(515件:97.7%)
組織許可不要なクローズド競技を含む実数
○スピード競技 505件(509件:99.2%)
○カート 175件(181件:96.7%)
○合計 849件(854件:99.4%)
2「オートテスト」を61回開催し、述べ2,421名が参加した。
- (3)車両公認
- 国内車両公認申請40件*を承認した。
- (4)モータースポーツライセンスの発給
- 1 四輪各種ライセンス64,398件*、カート各種ライセンス5,581件*を発給した。
- 2 5月、8月および11月に実施したライセンス更新促進策(はがきタイプの更新案内)では15,574件を取扱った。
【2017年 ライセンス発給件数 四輪*】(2016年:前年比)
○ドライバーライセンス
国際(A・B・C・R) 2,811件(2,755件:102.0%)
国際ソーラーカー 176件(189件:93.1%)
国内A 18,269件(17,791件:102.6%)
国内B 24,185件(23,425件:103.2%)
小計 45,441件(44,160件:102.9%)
○エントラントライセンス
国際 342件(328件:104.2%)
国内 400件(335件:119.4%)
小計 742件(663件:111.9%)
○オフィシャルライセンス
1級 2,941件(2,912件:100.9%)
2級 5,100件(5,117件:99.6%)
3級 10,167件(9,899件:102.7%)
小計 18,208件(17,928件:101.5%)
○エキスパートライセンス
7件(7件:100.0%)
○合計 64,398件(62,758件:102.6%)
【2017年 ライセンス発給件数 カート*】(2016年実績:前年比)
○ドライバーライセンス
国際(A・B・C) 538件(564件:95.3%)
国内A 1,190件(1,188件:100.1%)
国内B 1,974件(2,010件:98.2%)
ジュニア国際 34件(23件:147.8%)
ジュニア国内(A,B) 205件(242件:84.7%)
小計 3,941件(4,027件:97.8%)
○エントラントライセンス
国際 45件(45件:100.0%)
国内 218件(220件:99.0%)
小計 263件(265件:99.2%)
○オフィシャルライセンス
1級 368件(371件:99.1%)
2級 209件(219件:95.4%)
3級 795件(861件:92.3%)
小計 1,372件(1,451件:94.5%)
○エキスパートライセンス
5件(6件:83.3%)
○合計 5,581件(5,749件:97.0%)
- (5)登録クラブの活性化への寄与
- 1 合計991件*のJAF登録クラブ・団体の登録を行った。
- 2 全国8地域のJAF登録クラブ地域協議会との連絡会議を8月、3月の2回開催した。
【2017年 JAF登録クラブ・団体の登録件数*】(2016年:前年比)
○四輪
特別団体 9件(9件:100.0%)
公認団体 6件(6件:100.0%)
加盟団体 24件(24件:100.0%)
準加盟団体 19件(18件:105.5%)
公認クラブ 22件(22件:100.0%)
加盟クラブ 379件(379件:100.0%)
準加盟クラブ 417件(424件:98.3%)
小計 876件(882件:99.3%)
○カート
特別団体 5件(5件:100.0%)
加盟団体 15件(17件:88.2%)
公認コース団体 12件(14件:85.7%)
加盟コース団体 13件(14件:92.8%)
公認クラブ 6件(6件:100.0%)
加盟クラブ 39件(39件:100.0%)
準加盟クラブ 25件(25件:100.0%)
小計 115件(120件:95.8%)
○合計 991件(1002件:98.9%)
- (6)FIA Intercontinental Drifting Cup(IDC)の開催
- 日本発祥のモータースポーツ「ドリフト」の、世界初となるFIA公認の国際大会「FIA Intercontinental Drifting Cup」(お台場特設会場)開催を支援、FIAにおけるドリフト競技の国際規則制定において中心的役割を担った。
- (7)JAFグランプリの開催
- 10月に三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の開催にあたり、支援・協力を行った。荒天により、決勝レースは中止となった。
- (8)JAFモータースポーツ表彰式の開催
- 「2017年JAFモータースポーツ表彰式」を11月24日、都内のホテルで開催し、全日本選手権カテゴリーおよびFIA-F4シリーズ、スーパーGTシリーズのチャンピオンと上位入賞者を表彰したほか、ソーラーカーレース鈴鹿とFIA Intercontinental Drifting Cupの上位入賞者への賞典贈呈を行った。
- また、インディ500マイルレース(米国)で日本人として初めて優勝した佐藤琢磨氏に「JAFモータースポーツ特別賞」を、モータースポーツ界で永年にわたり活躍された高橋国光氏に「JAFモータースポーツ名誉委員」の称号を、それぞれ贈呈した。
- (9)説明会の開催
- 1 1月に全日本レース選手権に関係する参加者およびオーガナイザーを対象に規則説明会を開催した。
- 2 全日本ラリー選手権オーガナイザー会議を1月に開催した。
- 3 全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権オーガナイザー会議を1月に開催した。
2 第2次モータースポーツ振興ワーキンググループの設置
2008年の第1次モータースポーツ振興ワーキンググループによるモータースポーツ振興策に関する答申書発表から10年が経過し、モータースポーツを取り巻く環境も徐々に変化している状況の中、時代に即した新たな振興策を検討するため、4月に外部有識者10名から成る「第2次JAFモータースポーツ振興ワーキンググループ」を設置した。各種調査活動を含め計7回の会議を開催し、種々の振興策の検討を行った。
3 モータースポーツ各種委員会の開催、運営
モータースポーツ審議会をはじめ各種委員会を合計65回*開催した。
【委員会開催件数*】
モータースポーツ審議会 3回
登録部会 5回
安全部会 4回
メディカル部会 4回
技術部会 5回
マニュファクチャラーズ部会 10回
レース部会 5回
ラリー部会 9回
スピード競技部会 8回
電気・ソーラーカー部会 5回
カート部会 7回
合計 65回
4 モータースポーツ関係規則の制定、改正
「国内競技車両規則」等、各種モータースポーツ関係諸規則(19件)を制定又は改正した。
5 安全対策の推進
- (1)レーシングコース査察及び許可証の発給
- FIAコース査察員による国際レーシングコース査察及びJAFコース査察員による国内/国際レーシングコース査察をそれぞれ実施し、JAF国内モーターレーシングコース許可証(16件、13ヵ所)*を発給した。
- (2)スピード競技コース査察及び許可証の発給
- FIAコース査察員による国際ドリフトコース査察及びJAFコース査察員によるジムカーナコース(12ヵ所)*、ダートトライアルコース(5ヵ所)*の査察をそれぞれ実施し、JAFスピード競技コース許可証(ジムカーナ48件、ダートトライアル19件)*を発給した。
- (3)救急医療体制の充実
- 競技会での救急医療体制充実のため、鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、ツインリンクもてぎにおいて、医療体制の視察を行った。
- (4)ドーピング検査の実施
- 全日本レース選手権競技会で2名のドライバーに対し、ドーピング検査を実施した。
- (5)競技車両に対する安全対策
- レース車両の安全装置(ロールケージ)に関する規則を、引き続き最新のFIA競技車両規則に準拠したものとした。
- (6)ラリー競技における安全対策
- 国内ラリー競技オフィシャルを対象としたスペシャルステージにおける救急活動訓練を5回開催した。
6 モータースポーツ広報の拡充
(1)JAFホームページにて、オリジナルのモータースポーツ情報番組「JAF MOTORSPORTS NEWS DIGEST」を4月から毎月配信し、ファンに向けて様々な情報を提供した。
(2)JAF会員向け機関誌「JAF Mate」に、モータースポーツに関するコラム記事を毎号掲載した。
(3)4月に開催された「モータースポーツジャパンフェスティバル2017」(東京・お台場特設会場)にブースを出展し、有名ドライバーによるトークショー等を通じてモータースポーツの楽しさを積極的にPRした。
(4)女性のモータースポーツへの参加促進を目的とした「ウィメン・イン・モータースポーツ」活動PRのため、各種イベントへのアンバサダー派遣や、女性を対象にしたドライビング講習会の開催支援等を実施した。
(5) 国内モータースポーツ活性化対策の一つとして、9月に東京ビッグサイトで開催された「ビジットジャパン トラベルマート2017」(主催:日本政府観光局(JNTO))に、国内主要サーキット、レースプロモーターと共同でブースを出展し、海外からの観光客を国内主要レースに誘致する活動を行った。
(6)2017年JAFプレスパスを審査のうえ43名*に発行した。
(7)FacebookなどのSNSを活用し、全日本選手権競技会の開催情報をはじめ、参戦者および観戦者に向けたモータースポーツに関する情報を発信した。
7 国際組織等との国際交流の推進
(1)FIAの活動に参加し、その連携を強化するため、JAFの役職員、モータースポーツ関係委員が各種会議に出席した。
【FIA会議等への出席*】
FIA総会 1回
世界モータースポーツ評議会 5回
専門委員会 10回
作業部会 5回
CIK委員会 2回
CIK作業部会 1回
アジアゾーン会議 2回
競技会視察 6回
その他 4回
【海外競技参加出場証明書の発行数*】
レース 172回
ラリー 100回
カート 31回
数次用(四輪) 97回
数次用(カート) 12回
合計 412回
(2)FIA幹部との意見交換会や海外のFIA選手権競技会への審査委員の派遣等を通じ、FIAや諸外国のモータースポーツ関係者との交流を推進した。
8月 FIA電気・新エネルギー選手権委員会委員、FIA技術委員との意見交換会
2月 FIA技術専門責任者との意見交換会
(3)FIAがFIA規則において、日本発祥であるドリフト競技の定義とクラス分類に着手するにあたり、JAFからコーディネーターを派遣した。
8 カート競技における安全対策の推進と開催促進
- (1)安全対策の推進
- ①国内カートコース(4ヵ所)の査察を実施した。
- ②FP‐Jr Cadets用シャシー(4件)の公認(登録)申請の審査を実施した。*
- (2)選手権競技会開催の支援
- 1 全日本、地方、ジュニアカート選手権競技会を認定するとともに、規則の施行を徹底するため、競技会審査委員を派遣した。
- 2 オーガナイザー会議を11月に開催し、競技運営に対する指導を行った。
- 3 チーフオフィシャル会議を2月に開催し、競技運営に対する指導を行った。
9 電気・ソーラーカーレースの振興
- (1)「ソーラーカーレース鈴鹿」の開催支援
- 8月、鈴鹿サーキットにおいてFIA電気・新エネルギー選手権カップ「ソーラーカーレース鈴鹿2017」を共催した。FIA派遣役員と参加車両の国際共通化を図る会議を開催した。
10 収支報告
2017年度におけるモータースポーツ業務に直接係わる収入は約3.9億円(事業収入:クラブ・団体登録料、ライセンス発給料、競技会組織許可料、車両公認料等)、支出は約5.9億円(事業費:委員への謝金、委員の出張費、職員の人件費、出張費、選手権管理用器具の購入等)でした。なお、収支の差は会費等の収入から充当しています。
11 罰金等の金額について
公認競技会で納められた罰金および没収された抗議料または控訴料の2017年度末の残高は以下のとおりです。
なお、罰金および没収された抗議料または控訴料は、国内競技規則11-8(罰金収入の措置)に従ってJAFの特別基金に繰り入れ、モータースポーツの振興および福祉目的のために使用しています。
2017年度末罰金残高 14,535,775円
<内訳>
2016年度罰金等残高 14,402,172円
2017年度罰金等総額 2,973,355円
2017年度の措置等(支出)総額* 2,839,752円
以上
*第2次モータースポーツ振興ワーキンググループ調査・検討関連費用